NAGI COFFEEでは、サイフォンを使ってコーヒーを抽出しています。
ガラスの器具、湯の動き、香りの立ち上がり、そして抽出の見た目そのものが、コーヒーを味わう時間を少し豊かにしてくれます。
今回は、そんなサイフォンコーヒーの起源と、日本にどのように伝わったのかをたどってみたいと思います。
サイフォンの起源
サイフォン式コーヒーの原型が生まれたのは、19世紀のヨーロッパとされています。
起源については諸説ありますが、一般的にはイギリスやフランスを中心に発展したと考えられています。
コーヒーをただ飲むだけでなく、抽出の過程そのものを楽しむ器具として広まっていったのです。
仕組みの特徴
サイフォンは、熱によって生じる蒸気圧と気圧差を利用した抽出方法です。
・加熱 → お湯が上に上がる
・抽出 → コーヒーとお湯が混ざる
・冷却 → コーヒーが下に戻る
この一連の流れによって、雑味の少ないクリアな味わいが生まれます。
日本への伝来
サイフォンは、大正時代ごろに日本へ伝わったといわれています。
西洋文化が急速に広がっていた時代背景の中で、サイフォンは新しい喫茶文化を象徴する器具のひとつとして受け入れられていきました。
さらに日本では、1925年に国産のサイフォンも登場し、喫茶店の現場に合わせて広く使われるようになりました。
こうしてサイフォンは単なる輸入器具ではなく、日本のコーヒー文化の中で独自に根を下ろしていきました。
なぜ日本で広まったのか
日本でサイフォンが広く受け入れられた理由は、いくつかあります。
・抽出工程が目で見て楽しめる
・味の再現性が高い
・一杯ずつ丁寧に淹れるスタイルと相性が良い
味だけでなく、香り、音、動きまで含めて味わえるのが、サイフォンならではの良さだといえます。
当店では、このサイフォンを使い、一杯ずつ丁寧にコーヒーを抽出しています。
ガスでもなく高熱源でもなく、昔ながらのアルコールランプの柔らかな炎で抽出します。
そして珍しい方法ですが、当店ではお湯を上から注いで抽出しています。
このやり方は、修業時代に東京駅の喫茶店で学んだものを、そのまま引き継いでいます。
一般的な方法とは少し異なりますが、抽出のブレが少なく、味が安定しやすいと感じています。
サイフォンは、単なる抽出器具ではなく、長い歴史と文化を持つコーヒーの楽しみ方の一つです。
ぜひ、味わうだけでなく、淹れる時間も一緒に楽しんでいただけたらうれしいです。